関節リュウマチで勤務しながら障害基礎年金2級の認定を受けた事例

ご相談者

足立区在住　女性（３０代、会社員）

傷病名：関節リュウマチ

受給した年金種類と等級：障害基礎年金２級

年金受給額：年額約７７万円

ご相談者の状況

ご相談者様は、メーカーの人事部での長年の勤務経験を持ち、10代後半からリュウマチと診断され、治療と並行して仕事を続けてこられました。しかし、症状は徐々に悪化し、特に両手の指の関節の痛みが日常生活にも大きな影響を及ぼすようになり、障害年金の申請を検討
するために関リュウマチの申請実績が多い東京障害年金相談センターへご相談頂くことになりました。

相談から申請迄のサポート

全ての疾病に共通して求められる障害年金申請準備の第一ステップとして申請する疾病での初診日を特定・立証する必要がありますが、初診日を証明するためには、最初に受診された病院からの初診証明書が必要になります。早速、私どもからその病院に連絡を取りましたが、既にカルテの保存期間が過ぎていた為、証明書を発行することは困難と病院から回答。
されてしまいました。その為に次の手段として、ご相談者様が最初の病院から紹介されて転院した経緯を詳しく伺いました。通常、紹介での転院の場合、紹介状が転院先の病院に保存されていることが多く、その中に初診日が記載されていることがあります。これが初診日を証明する有力な証拠となる可能性があります。しかし、転院先の病院では、紹介元病院の許可がなければ紹介状のコピーを見せることが出来ないと返答されてしまい、ここで証明書の作成は頓挫することになってしまいました。実は、紹介先の病院の事務担当者は、大きな
誤解をしていたのです。それは、元々、カルテというものは患者にも所有や閲覧の権限が
ある患者の為の医療資料であり、病院独自の単独の権限を付与された書類ではないということです。患者本人から閲覧を希望している書類を病院側の事情だけで拒否することが出来ないにも拘らず、カルテという書類は、病院のものであると誤解をしている病院は結構多く
存在している状況です。私ども障害年金の専門家は、こうした状況にも冷静に根拠を示しながら説明していく必要がありますが、今回のケースでは、病院側の対応があまりにも頑なで
時間がかかってしまうことが予想されたことから敢えて別の手段を取ることにしました。
申請を諦めるわけにはいかないという強い決意のもと、ご相談者様には初診時に受け取った領収書や診察券など、どんなものでもよいので証拠となり得るものを探していただきました。幸いなことに、診察カードのコピーと領収書の写しを見つけることができました。さらに、お薬手帳に記載された処方箋からも、病院名、担当医の名前、日付などが確認できましたのでこれらの資料をもとに、初診証明書が提供できない理由と受診状況を説明する文書を添えて、障害年金の申請を完了させました。

◆結果

申請手続完了後１か月経過した時点で年金機構の審査は初診日に関する確認要請があったものの、追加書類の要求はなく、申請から3ヶ月後に障害厚生年金の受給が決定しました。ご相談者様には、年間約165万円の年金受給が認定されたとの連絡があり、大変喜ばれました。

障害年金の申請プロセスは決して簡単なものではなく、初診証明書が入手できない、医師が適切な診断書を作成してくれないなど、様々な障壁に直面することがしばしばあります。

この経験から、障害年金申請の道は険しいものであり、特に証明書の提出が困難な場合には、初めから最後まで諦めず、専門家に相談することの大切さを改めて感じました。障害年金に精通した専門家に相談することで、見えない解決策が見つかることもあり、今回のケースがその一例となりました。

ご相談者様が経験されたような事例は、他の障害年金を申請する方々にも参考になるものです。そのため、疾病を抱えながら障害年金の申請を検討されている方々には、可能な限り早期に専門家に相談し、適切なアドバイスとサポートを受けることをお薦め致します。それによって複雑で困難な申請プロセスを乗り越え、必要な給付を受けることが可能になります。