障害年金の基礎知識
障害年金とは
障害年金とは、様々な病気やケガによって障害が残ってしまい、働けない、労働に支障がある場合や通常の生活に困難がある場合に支給される公的年金制度の一つです。
但し、障害年金の申請ができるのは20歳から64歳までの期間内となります。
公的年金制度とは
公的年金制度とは国民年金や厚生年金、共済組合に加入している方に支給される年金制度です。65歳以上の方がもらえるようになる老齢年金が最も有名ですが、実は障害年金も同じ公的年金制度です。
一般的に国民年金は20歳以上の方の誰もが加入している制度ですので、保険料を納めていれば誰もが受け取れる可能性があります。
障害年金をもらえる障害、症状があるときは必ず申請するようにしましょう。
障害年金の種類
障害年金は初診日(現在の障害の原因となる病気やケガで初めて病院にかかった日)に加入している年金制度によって種類が異なり、全部で3種類あります。
障害基礎年金
障害基礎年金は初診日に国民年金に加入している方が受け取ることができる障害年金です。
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方はすべて国民年金に加入することになっており、自営業者、農業や漁業に従事している方、その配偶者、20歳以前に障害状態になった方などが対象となります。
障害厚生年金
障害厚生年金は初診日に厚生年金に加入している方が受け取ることができる障害年金です。
会社にお勤めの方やその配偶者の方などが対象となります。
※パートタイマーやアルバイトの方でも厚生年金に加入していれば受け取れる可能性があります。
障害共済年金
障害共済年金は初診日に共済組合に加入している方が受け取ることのできる年金です。
共済組合とは公務員や私立学校の教員の方などが加入対象となっています。
障害年金を受給する条件
障害年金を受給するためには3つの条件を満たしている必要があります。
認定日要件
障害年金を受給するには「認定日」を経過している必要があります。
認定日とは基本的に初診日から1年6か月が経過した日を指します。
初診日とは障害年金を申請する傷病で初めて病院にかかった日のことを指します。
ただ、例外としてペースメーカーを設置していると、「設置した日」が認定日となるなど障害や症状によって認定日が異なる場合があります。
これは「認定日」が障害状態がこれ以上変わらないと判断するための期間として設定されているためで、取り外すことのないペースメーカーの設置や手や足を失ってしまった場合には障害の回復の見込みがないと判断されるからです。
保険料納付要件
障害年金を受給するためには年金を一定期間納付していることが必要です。以下のいずれかに該当すれば納付要件を満たしています。
①20歳になった月(法律上20歳誕生日の前日の属する月)から初診日のある月の2か月前までの全期間の3分の2以上の納付、もしくは免除月数があること
②初診日の属する月の2か月前までの直近の一年間(12か月)がすべて納付、もしくは免除月数になっていること
※ただし、納期限を超えて、追加納付した月数や追加免除請求をした月数は納付、または免除期間として算入されませんのでご注意ください。
障害状態該当要件
障害年金を受け取るためには障害の状態が一定程度の基準に達していることが必要です。
障害年金はうつ病などの精神疾患から麻痺などの肢体障害まで対象の傷病が多くあるため一概には言えませんが、等級と障害の状態の目安は以下の通りです。
障害年金1級に該当 | 他人の介助を受けなければ自分の身の回りのことができない程度。 寝たきりで生活している方など。 |
障害年金2級に該当 | 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度。 一人では外出が難しい方など。 |
障害年金3級に該当 | 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。 働くことはできるが、フルタイムの就労ができない、軽作業のみを任せてもらっている等の特別な配慮を受けている方など。 |
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障害年金の等級について
障害年金は障害の重さに応じて1~3級に分けられます。
障害年金3級→2級→1級の順に障害の状態が重く、支給される金額が多くなります。
ただ、障害年金3級を受け取るためには厚生年金または共済組合に加入している必要があり、国民年金に加入している方は受け取ることができません。
そのため障害年金の申請において初診日にどの年金制度に加入しているかを確認することが非常に重要です。
障害年金を受給するポイント
障害年金を受給するためにはいくつかのポイントがあります。
その中で重要なものをいくつかご紹介いたします。
初診日の確認
障害年金を受給するためには「初診日」の確認が必要です。初診日とは障害年金を申請する傷病で病院にかかった日を指します。
その時は病名が確定していなくても、初期症状と考えられる状態で病院にかかっていれば初診日として認められます。
年金の納付状況の確認
保険料納付要件のご説明でも少し触れましたが、保険料を納付していない場合、障害年金1級に該当する方であっても障害年金を受け取ることはできません。
お近くの年金事務所で以下の要件を満たしているかを必ずご確認ください。
①20歳になった月(法律上20歳誕生日の前日の属する月)から初診日のある月の2か月前までの全期間の3分の2以上の納付、もしくは免除月数があること。
②初診日の属する月の2か月前までの直近の一年間(12か月)がすべて納付、もしくは免除月数になっていること。
※ただし、納期限を超えて、追加納付した月数や追加免除請求をした月数は納付、または免除期間として算入されませんのでご注意ください。
対象傷病・疾病
障害年金の対象傷病は以下の通りです。
眼 | ブドウ膜炎、緑内障(ベージェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症 |
聴覚、平衡機能 | 感音声難聴、突発性難聴、神経症難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、毒物中毒による内耳障害 |
鼻腔 | 外傷性鼻科疾患 |
口腔(そしゃく言語)言語 | 上顎癌、上顎腫瘍、咽頭腫瘍、咽頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など |
肢体の障害 | 事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股関節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群 |
精神障害 | うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老による痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー病など |
呼吸器疾患 | 気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など |
循環器疾患 | 心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など |
腎疾患 | 慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など |
肝疾患 | 肝炎、肝硬変、肝がんなど |
糖尿病 | 糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症 |
血液 | 再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ種、多発性骨髄膜、骨髄異形性症候群、HIV感染症 |
その他 | 人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、周期性好中球減少症、乳癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等の癌全般、悪性新生物、脳髄液減少症、悪性高血圧、その他難病 |
障害年金はいくら受け取れるの?
障害年金の支給額は障害基礎年金と障害厚生年金で異なります。
詳しくはこちらのページで解説しているのでぜひご覧ください。
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障害年金は「自分で手続きしよう」と思われる方もいらっしゃいますが、進め方のコツを知らないと、認定の部分で低い評価となり、結果的に障害年金がもらえないこともあります。
障害年金の申請はご自分でも行うことができます。
ただ、専門家を活用することで、より障害年金の受給可能性を高める準備ができるとともに申請の準備も早く行うことが可能となります。
なぜならば専門家は様々な申請パターンを経験していて審査の実情も詳しく理解しているからです。
当センターでは、専門家として障害年金の申請サポートを安心価格でお手伝いさせて頂いており、無料の相談も受け付けておりますので、お気軽に相談いただければと思います。